- 記憶術
暗記を苦手になった大人が、学生時代の記憶力を取り戻す方法
「学生の頃に比べて暗記が苦手になった。」
「取りたい資格があるのに、暗記ができない。」
こんな悩みを持っていないでしょうか。
記憶力は年齢とともに落ちてしまうので、そのままでは暗記に悩まされ続けてしまいます。
さらに、暗記が苦手な方は、間違った方法で勉強している可能性も高いです。
記憶力は年齢にかかわらず、いつでも上げることができます。
正しい記憶方法を身につければ、暗記を得意にすることで資格などを簡単に身につけることができるのです。
その上、記憶力を上げることで、仕事の生産性も同時に上げることができます。
暗記の苦手意識をなくし、自分の目標を達成しましょう。
目次
1.暗記が難しくなる理由
1.1 脳は言葉の暗記に向いていない
1.2 年齢とともに脳が衰えてしまっている
2.効率の悪い暗記方法
2.1 読むだけになっている
2.2 インプットばかりをしている
3.暗記が苦手でも忘れない記憶術
3.1 場所法
3.2 仕事の生産性アップにも
4.まとめ
1.暗記が難しくなる理由
大人になると学生の頃に比べて、暗記が難しくなったと感じることが多くなります。
そして、人の名前を忘れてしまったり、ど忘れをしてしまう経験が増えていきますよね。
あとで詳しく解説しますが、記憶力は今からでも上げることができます。
効率よく記憶力をあげるためにも、まずは脳の仕組みについて知っておきましょう。
1.1 脳は言葉の暗記に向いていない
そもそも、人間の脳は言葉を覚えることが苦手です。
言葉を覚えるよりも、画像のようなイメージを覚えたり、物語を記憶する方が得意です。
ですが、「暗記」をする時には、言葉をなんとかして覚えようとしてしまいますよね。
学生時代のテスト勉強などの影響から、テキストを丸暗記しようとしてしまいます。
しかし、言語を記憶するのには時間がかかるので、長期記憶にするのにかなりの時間が経ってしまうのです。
記憶するのにてこずってしまうと、暗記をするのが苦手と感じてしまいますよね。
苦手なものにずっと取り組むのは、ストレスがかかるので、モチベーションも上がりません。
人間なら誰でも言葉を暗記するのは苦手なので、悩んでいるのはあなただけではないのです。
1.2 年齢とともに脳が衰えてしまっている
どうしようもないことなのですが、加齢とともに脳が衰えてしまいます。
もちろん、記憶をするのも難しくなってしまいます。
流動性知能と呼ばれる、推論力、記憶力、思考力などを支える力がどんどん落ちていってしまうのです。
この力は、20台をピークにして、加齢とともに下がっていくのです。
流動性知能は、仕事や普段の生活などで、必ず必要になってくる能力です。
暗記が苦手になってきたと感じているのなら、これらの力も落ちてしまっている可能性があります。
ただし、流動性知能も脳トレをすることで、上げることができます。
2.効率の悪い暗記方法
言語を暗記するのが難しいということはありますが、暗記の仕方が悪いという可能性もあります。
よくない暗記の方法を、2つだけご紹介します。
当てはまっているという方は、次の章で具体的な方法についてご紹介しています。
資格試験などで覚えたいことがあるという方は、是非真似してみてください。
2.1 読むだけになっている
よくある暗記の間違いが、読むだけになってしまうことです。
暗記をするには、勉強した知識を長期記憶にする必要があります。
脳が長期記憶にしようとする情報は、いろいろなことと結びついているものです。
五感が含まれていると、長期記憶として残りやすくなります。
例えば、あなたの大好物を忘れることはないですよね。
好きな食べ物には、五感がたくさん含まれています。
・料理の色や見た目(視覚)
・甘い、しょっぱいなどの匂い(嗅覚)
・食べたときの味(味覚)
・お店で流れている音楽(聴覚)
などなど、たくさんの情報が含まれていますよね。
しかし、暗記をする時に使っている情報は、視覚のみ使っていることが多いです。
テキストに並んでいる文字を読んでいるだけでは、効率的に暗記をするのは難しいのです。
読むだけでなく、音読をすることで聴覚を使うことができます。
紙に書くことで、触覚を使うことができます。
読むだけではなく、手や口を動かすことで、暗記の効率を上げることができます。
2.2 インプットばかりをしている
知識や情報をインプットしてばかりで、アウトプットをしていないと暗記をするのは難しいです。
先ほどお伝えした通り、暗記をするにはたくさんの感覚を使う必要があります。
インプットというのは、テキストを読むことが多いですよね。
最近では、動画で勉強することも増えてきているので、聴覚も使っているかもしれません。
しかし、いくら頑張っても視覚と聴覚のみです。
また、「見る」「聞く」という作業は、受け身でもすることができます。
私たちが自ら動く必要がないので、脳は大切な情報だと判断しません。
すれ違った人の顔や服装、その時に流れていた音などは覚えていませんよね。
本や動画で勉強したことは、脳にとってはすれ違った人と同じくらいの情報でしかないのです。
一方で、触ったり、声を出したりするには自分から動く必要があります。
主体的に動くことや、複数の感覚を利用することでアウトプットをしていることになります。
実際に使ったことのある情報は、大切な情報であると認識されます。
その結果、長期記憶として保存されることになるのです。
3.暗記が苦手でも忘れない記憶術
言語を暗記するのは、人間にとって難しいということをご紹介しました。
それでも東大生のように、たくさんの知識を暗記している人がいますよね。
彼らが行っている暗記には、あまり知られていないテクニックがあります。
記憶力の高さで勝負をする、メモリースポーツという競技をご存知でしょうか。
選手たちはメモリアスリートと呼ばれ、1時間で1000桁以上の数字を軽々と暗記してしまいます。
驚異的な記録を見ると、もとから暗記が得意な人たちと思われがちです。
しかし、彼らはむしろ記憶力で悩んでいた人が多いのです。
3.1 読むだけになっている
メモリーアスリートの使う記憶術の名前は、「場所法」と言います。
この記憶術は、「忘れる方が難しい」とまで言われるほどです。
名前の通り、場所を使うのですが、これには理由があります。
ノーベル賞をとった研究によって、科学的にも効果があると認められたのです。
詳細な話は、かなり専門的な話になってしまうので、今回は要点だけをお伝えします。
人間にとって、「場所は記憶に残りやすく、思い出しやすい」ということがわかったのです。
今でも、小学校までの通学路に何があったのかを覚えていませんか?
もしかすると、教室がどこにあったのか、自分の下駄箱の位置まで覚えているという方もいるかもしれません。
かなり昔のことなのに、いまだに覚えているのは不思議ですよね。
この「場所は覚えやすい」という性質を生かして、記憶をするのが場所法の使い方です。
手順は簡単で、場所とセットで覚えたいことを記憶するだけです。
3.2 仕事の生産性アップにも
記事の初めの方に、流動性知能についてご紹介いたしました。
暗記に必要な記憶力だけでなく、仕事に使う思考力などの土台になる力のことです。
場所法を学ぶことで、記憶力だけでなく流動性知能も自動的に上がっていきます。
つまり、仕事のパフォーマンスも上がるのです。
場所法を学んで脳トレをすると、普段使われていない脳が活性化します。
その結果、衰えてしまった脳がどんどん若返っていくのです。
暗記に役立つのも間違いありませんが、仕事や生活に役立つ力も身につけることができます。
暗記が苦手で悩んでいるという方向けに、場所法の具体的なやり方についての記事を用意しています。
読むだけでも効果があるので、興味のある方は、記憶力と仕事のパフォーマンスを上げてみてください。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。
暗記をするというのは、誰にとっても難しいことです。
特に言葉を暗記するには、工夫をしないとなかなか暗記をすることはできません。
もし、読んでばかりだったり、インプットばかりをしているという人は、注意をする必要があります。
また、場所法を学ぶことで暗記が苦手な方でも、記憶力を上げることができるようになります。
スキマ時間にスマホを使うだけで、仕事で役に立つ能力も向上するので、是非試してみてください。
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COACH
この記事を監修してくれた記憶コーチ
大野 元郎プロ
2016年:記憶力日本選手権優勝
2017年:記憶力世界選手権 18位
世界記憶力選手権にも出場を果たし、2017年にはギネス世界記録を樹立。
その他にも記憶術を用いて各自の目標を達成し人生を豊かにさせるための講演活動や指導を行っているメモリー教育のトップランナー
TV出演歴
- フジテレビ『めざましテレビ-キラビト-』出演
- フジテレビ『10ミニッツ』
- TBS 『ピラミッド ダービー』出演
- 日本テレビ『シューイチ』
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