- 記憶術
「ど忘れ」をする人は、仕事のパフォーマンスも低い理由
「あれ、キッチンに何しに来たんだっけ?」
「何を探してたのか忘れてしまった、、、」
何をしようとしていたのか思い出せなかったり、
探し物がなんなのかを忘れてしまった、という経験があるのではないでしょうか。
このレベルなら問題は起こりませんが、
仕事をど忘れしてしまったことがある方もいるかもしれません。
忙しい時期に仕事をたくさん抱えていると、締め切り間近の業務なのに、
意識から消えてしまうこともあります。
自分だけの責任で済むならいいですが、他の人の迷惑にもなってしまう可能性があるので、
できる限り忘れないようにしたいですよね。
詳しい内容は後で紹介しますが、
ど忘れをしやすい人は、仕事のパフォーマンスも低くなっています。
年を取ると忘れっぽくなることは、多くの人が知っています。
ですが、脳を鍛えることで「ど忘れ」や「もの忘れ」は、あるポイントを意識するだけで、劇的に改善できるということは、あまり知られていません。
脳の力を鍛えるために年齢は、一切関係ありません。
むしろ、「ど忘れ」をしたタイミングで、正しい知識とトレーニングをすれば、
脳を鍛えるための最大のチャンスになります。
目次
1「ど忘れ」は、アウトプットができない状態
1.1 脳から情報を集めてくれるワーキングメモリ
1.2 ど忘れをする人は、仕事の能力も落ちているかも
2 多すぎる情報は、メモに記憶してもらう
3 忘れるのが難しくなる記憶トレーニング
4 まとめ
1「ど忘れ」は、アウトプットができない状態
「ど忘れ」が起きる原因は、何なのでしょうか。
「忘れる」という言葉を聞くと、「記憶から消える」という意味に考えてしまうかもしれませんが、実際はそうではありません。
正しくは、記憶されている情報を引き出すことができないという状態です。
つまり、ど忘れなどを改善するためには、
アウトプットをする力をつけないといけません。
一般的には、記憶力を良くする方法は、インプットと考えられがちですが、
ひたすら知識を増やしても、記憶力は良くならないのです。
それでは、アウトプットの力をつけるにはどうしたらいいのでしょうか。
1.1脳から情報を集めてくれるワーキングメモリ
ワーキングメモリという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、私たちの脳が一度に処理できる数のことを意味していて、
個人差はありますが、3〜7個が平均です。
例えば、ワーキングメモリが3個のAさんを想像してみてください、
Aさんがスーパーで買いたいものは、4つあります。
・牛乳
・食パン
・卵
・しょうゆ
全てを覚えるためには、4つのワーキングメモリが必要になります。
しかし、Aさんは3つしか覚えられないので、
スーパーに行った時に、どれかを忘れてしまう可能性があります。
これが、一般的な「ど忘れ」の起こる原因です。
また、ワーキングメモリは、加齢と共に減少してしまう傾向があります。
若い頃よりも、忘れっぽくなったなと感じている方は、このワーキングメモリが少なくなってしまっている可能性が高いのです。
「年齢には勝てないのか、、、」
と残念に思われるかもしれませんが、
実は、脳を鍛えるのに年齢は関係ありません。
筋トレをすると筋肉がつくように、脳も適切なトレーニングをすれば、
確実に能力を上げることができるのです。
ワーキングメモリについてもっと詳しく知りたいという方向けにの
記事もあるので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
1.2ど忘れをする人は、仕事の能力も落ちているかも
「ど忘れ」を頻繁に起こしている人は、仕事・勉強へのパフォーマンスも
低くなっている可能性が高いです。
問題を解決したり、新しいスキルを身につけるために必要な能力は、
「流動性知能」と呼ばれています。
少し想像してみてください。
1分間に5個の知識を使うことができるAさんと、1分間に3個の知識を使うことができるBさん、
どちらの方ができるビジネスマンになるでしょうか。
間違いなく、5個の知識を使うことのできるAさんですよね
一つの問題を解決するために、たくさんの知識を使うことができれば、
少ない時間でゴールにたどり着けるからです。
それでは、知識や経験をたくさん処理できる人は、何が優れているのでしょうか。
すでにお分かりかと思いますが、ワーキングメモリの数が多ければ、
一度にたくさんのことを処理できるので、仕事や勉強でも結果を残しやすくなります。
頻繁に「ど忘れ」をする方は、仕事のパフォーマンスも、
20代・30代の頃に比べて、かなり落ちてしまっていると考えられます。
経験や知識を引き出すためには、ワーキングメモリと流動性知能を上げることが必要です。
そのために役立つ方法と、トレーニング方法について紹介します。
2多すぎる情報は、メモに記憶してもらう
ど忘れをしてしまうのは、一度に覚え切れないほどたくさんの量を
覚えようとしてしまうからです。
メモをせずにたくさんのことを覚えておこうとすると、どんどん忘れてしまいます。
ですので、当たり前なことですが、
気がついたらすぐにメモをすることが大切です。
覚えておきたい情報の倉庫を作って、代わりに記憶をしてもらいましょう。
また、メモを使っているけれど、そのメモがどこにあるのかを忘れてしまう
という方もいるかもしれません。
覚えておくためのメモがなくなってしまっては、本末転倒ですよね。
他にも、スケジュール帳、メモ帳、ノートなど、メモをする時にいろんな媒体を使っているという方もいるかもしれません。
できれば1つのものにまとめた方が、見直す時にも楽ですし、
無くすリスクも少なくなります。
ですので、メモは全てスマホのアプリに残すことをオススメします。
常に持ち歩いていることが多いので、すぐに書くことができますし、
メモをなくすリスクもありません。
また、メモをしたいときは突然来ることが多いので、
ペンで書くのが難しい状況のことも多いです。
そんな時にも、片手ですぐに記録することができるので、ぜひ活用してみてください。
3忘れるのが難しくなるトレーニング方法
最後に、ワーキングメモリを増やしたり、流動性知能を高めることで、
「ど忘れ」を改善する方法をご紹介します。
世の中には、記憶テクニックがたくさんあります。
学生時代には、歴史を覚えるために「ゴロ」を使ったりしたのではないでしょうか?
手軽に使うことができて、実際に覚えられるのでかなり効果的ではあるのですが、
実は、もっと覚えやすい記憶術が存在しています。
知る人ぞ知る方法なので、あまり知られていませんが、
「忘れる方が難しい」とも言われているテクニックです。
その記憶術は、「場所法」と呼ばれていて、「場所」を使って記憶をする方法です。
繰り返しになりますが、ど忘れの原因は、
「覚えているはずの記憶を引き出すことができない」ことです。
ですので、アウトプットしやすいように記憶をすることが
ど忘れを改善するためのポイントになってきます。
詳しい内容は難しくなってしまうので、カンタンに説明しますが、
人間は「場所」を記憶するのが得意だということが、科学的にわかっています。
その研究は、ノーベル賞も受賞しています。
「場所」と思い出したいことを組み合わせることで、
インプットもアウトプットもしやすくするのです。
また、記憶力を競うメモリースポーツでは、
1時間に1000桁以上の数字を記憶してしまう選手たちがたくさんいます。
その選手たちの9割以上が使っている記憶術でもあります。
普段使わない脳の部位をフル活用するので、
情報処理能力や推論力なども上昇するようになります。
もちろん、数字1000桁をカンペキに記憶できるようになるためには、年単位の時間がかかってしまいますが、
ど忘れをなくしたり、仕事に活かすために使うレベルであれば、
すぐにできるようになります。
忘れるのが難しい「場所法」を使って、ど忘れ・もの忘れを治したいという方が、 できるだけカンタンにマスターできるようになっている記事があるので、
興味のある方は、5分だけ時間をとって読んでみてください。
4まとめ
ど忘れの原因から対策方法について、ご紹介しましたが、
いかがだったでしょうか。
ど忘れは「思い出すことができないだけ」で、記憶には残っているのですが、
その情報を引き出すための能力が、年齢とともに衰えてきてしまいます。
メモを活用すれば、「ど忘れ」を防ぐことができます。
しかし、ど忘れが起きやすい状況では、他の能力も落ちている可能性が高いので、
仕事や勉強のパフォーマンスが落ちてしまいます。
ですが、年齢にかかわらず、脳は鍛えることができるので、
パフォーマンスを上げることができます。
インターネットで検索すればなんでもわかるので、
私たちの脳は、記憶をする必要がなくなってきています。
そのせいで、記憶力だけでなく、仕事や勉強をする時に大切な能力も、
気づかないうちに衰えているのです。
ぜひ、「場所法」をマスターして、普段使わない脳を刺激して、
日常生活、仕事、勉強のパフォーマンスを底上げしてみてください。
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COACH
この記事を監修してくれた記憶コーチ
大野 元郎プロ
2016年:記憶力日本選手権優勝
2017年:記憶力世界選手権 18位
世界記憶力選手権にも出場を果たし、2017年にはギネス世界記録を樹立。
その他にも記憶術を用いて各自の目標を達成し人生を豊かにさせるための講演活動や指導を行っているメモリー教育のトップランナー
TV出演歴
- フジテレビ『めざましテレビ-キラビト-』出演
- フジテレビ『10ミニッツ』
- TBS 『ピラミッド ダービー』出演
- 日本テレビ『シューイチ』
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